 |
|
日本のテニスを愛するみなさまへ 私は、もっと多くの日本人がプロのテニスプレーヤーを目指してくれることを望んでいます。と言いますのも、彼らが、テニスにおける正しい技術と取り組み方を身につければ、世界ランキングの上位に入ることも可能だからです。これは決してお世辞ではありません。日本人は、潜在的にその可能性を持っているのですが、残念なことにその能力を引き出せなかっただけなのです。この潜在的な能力を引き出すために特に大切なのが、テニスに対する「取り組み方」あるいは「自己の信念」です。 テニスの試合では、プレーヤーの一挙一動が観客の注目を浴びますが、プレーヤーは長時間にわたり、注目されているというプレッシャーをはねのけ、集中力を持続できなければなりません。このような状況下でベストのプレーをするためには、勝つことができるという強い信念が必要です。この自信がなくては、技術的、体力的に優れたプレーヤーでも、ベストのプレーはできず、結果的に敗北してしまいます。 私たちのテニススクールでは、トレーニングの第一段階で、「自信を身につける」ために必要なメニューをこなし、そのうえで技術・運動能力を向上させる練習へと移行していきます。「自信を身につける」ための練習では、プレーヤーにリスクを負うことの大切さを強調しています。「リスクを負わない勝利は栄光のない勝利」なのです。 もちろん、ウィンブルドンのようなメジャーな大会で、勝利を上げることばかりがテニスではありません。テニスは、16世紀にイギリスで生まれた社交的なスポーツでもあり、他の多くのスポーツに見られるような超人的な体力や運動能力が求められるものではなく、年齢に関係なく楽しむことができるスポーツなのです。 みなさまのテニスをする目的が、レクリエーションのためであっても、私たちのスクールではみなさまの目的にあったプログラムを提供できることをお約束します。ここシドニーで、みなさまにお会いして一緒に楽しみながらプレーできることを楽しみにしています。
1995.6.18 読売新聞夕刊より抜粋 |
