私のテニス理論

■ サーブのコースを正確にするには、空に線を引く

 

 クレー射撃の選手から見て、テニスというスポーツはどんなに理不尽なスポーツに思えることでしょう。何しろ的を見ながらタマを打てないのですから..?!
 ここで紹介するのは、その理不尽さを解消する方法です。


 

 ボールを打つ瞬間、打点から目を離してはいけないというのは、テニスをプレーする上での大前提です。
 従ってテニスは、的を見ずに的を狙ってボールを打たなければならないのです。そのためには鋭いコート感を身につける必要があります。
 しかし、実際の的を見なくても、その的のある場所がわかるショットがあります。そのうちのいくつかを紹介します。

 

ダウン・ザ・ライン

 ご存じのように、サイドラインに沿って打つストレートのストロークですね。インパクトの瞬間、しっかりボールを見ていても、そのかたわらには一直線に引かれた白線があります。的は見えなくても、その白線の内側に平行にボールを打ち放せば、その先には目的の的があるわけです。もちろん下を見ながら打てる低いバウンドの打球に限りますが。
 しかし、人間の直角を感じる感覚もかなり正確ですから、例え高い打点でもベースラインに直角にたたけば大丈夫です。この場合、安全に少し内側を狙いましょう。

 

サーブ

 サーブはテニスのあらゆるショットの中で、唯一自分の球出しによって打つことができるショットです。つまり打点は自分で決定することができるショットなのです。その利点を利用します。

 ところで、サーブというショットは、他のショットとは違い、打つ瞬間に真上を見ますので、コートが全く見えなくなってしまいます。他のショットでは、コートの一部が視野にはいることにより、ある程度、感で方向がつかめますが、サーブではそうは行きません。

 そこで私がいつも行っている方法をご紹介します。

 まずボールをつきながら、相手コートのサーブの落下点を決定します。ここで、一点だけを注視してしまうと、相手にコースを読まれてしまいますので、何点かに視線を向けた後に、最後に横目で目的地点を見ます。(わざと一点だけを見て、裏をかいて反対側に打つという駆け引きを行うのも一つの手です)
 トスを上げながらその目的地点と、トスしたボールを架空の赤い線で結びます。
 そして、そのい線に沿ってボールが飛ぶようにコントロールするわけです。
 フラットサーブなら、い線の方向にそのままラケットを振り抜けばよいのですが、スライスやスピン系のサーブでは、い線に対して何十度の方向に振り抜くのか、自分なりに考察する必要があります。しかし、ただ漠然とした方向に振り抜くより、このい線を基準に何十度という目安があるので、ここでもこのい線が役に立ちます。例えばスピンサーブなら45度を目安に、自分にとってベストの角度を見つけだしましょう。
 初心者がスピンサーブを打とうとする場合、フォロースルーを丸め込もうとする癖が出てしまう傾向がありますが、このことを意識すれば、フォローは直線的に振り抜くというイメージがつかみやすいと思います。


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