私のテニス理論
■ 高いところはヘリコプター、低いところは自動車 !?
___ストローク <<< 最近の流行
洋服や車に流行があるように、テニスのストロークにも流行があります。
昔のコナース vs ボルグ戦のビデオなどを見れば、現在のサンプラス vs アガシ戦とは、テニスが全く違うということが一目瞭然にわかります。
現在のテニスが昔と比べてどう変化したのでしょう?
ビデオを見て比較した人ならおわかりでしょう。とにかくボールのスピードが速くなったのです。それでは、なぜ速くなったのでしょう?
それは昔の人の筋力が弱かったわけではありません。単に速いボールを打つのでしたら、昔の選手でもいとも簡単に打てたでしょう。ところがただ速いだけのボールというのは、簡単にアウトボールになってしまうのです。
それでは速くて、なおかつアウトにならないボールを打つためには何が必要なのでしょう。それは強烈なトップスピン
です。
昔のウッドのラケットでは、これが難しかったのです。現在のラケットの進化はすばらしい限りです。
ウッドのラケットで速いボールを打つには、ジミー・コナース選手のように、ネットすれすれを狙うしかなかったのです。しかし、ネットすれすれを狙うということは、当然確率的に低くなってしまうわけです。それを高い確率できめていたジミー・コナース選手(現在でもきめていますが)は、まさに天才といって良いでしょう。『テニスは確率のスポーツである』とは良く言ったものです。それでは、この現代の優れたラケットを使用できる幸せなわれわれアマチュアプレーヤーは、どのように(フォア)ストロークを打てばよいのでしょう。それが
「高いところはヘリコプター、低いところは自動車」
の様にラケットを回転させるスイングです。(これは1つの例にすぎません)
【高い打点の打ち方】
顔の位置程度の高い打点ですが、現代のラケットが反発力に優れている点を利用します。ヘリコプターの羽のように、ラケットを地面と平行に回転させてボールを思いっきりひっぱたきましょう。もちろんグリップはウェスタン系です。ラケットの性能を信頼して、びくびくせずにスイングしましょう。
ここで注意しなければならないのは、反発力に優れているだけに、スイングを少しでも上向きにしてしまっては、ボールは簡単にアウトしてしまいます。私個人の感覚的には、目を閉じて少しダウンスイング気味かと感じるくらいでスイングすると、実際に鏡で見ると平行に振られているようです。
少しラケットヘッドを遅らせて、球道とラケット面の交差する角度が少し斜めに当たるようにし、ボールに横回転をかけてアウトする確率を低くするという手段もあります。回転をかけた分だけ球速は遅くないますが、ボール自体が回転モーメント力という威力を持っています。【低い打点の打ち方】
膝から腰にかけての低い打点は、現代のラケットの食いつきの良さを利用して、強烈にトップスピンをかけます。車の車輪のように地面に垂直(少し斜め)にラケットを回転させます。グリップはウェスタンからセミウェスタンを使用します。打点はヘソより少し前目です。
ここで意識していただきたいのが、ラケットヘッドの速度ではなく、ラケットヘッドの加速度です。インパクトの瞬間のラケットヘッドの加速度を最大にするのです。もちろん速度も最大にします。ここでいう「加速度を最大に」というのは、そういうイメージをもって打つということで、実際に計ったら加速度は一定かもしれませんが、トップスピンを利かせるには、インパクトまでの加速が重要なのです。そのため当然フォロースルーは大きくなるはずです。
言い方を変えれば、打った後の加速度は無駄な力なのです。
一度意識してみてください。あなたのスイングは、膝の位置でも腰の位置でも加速度の最大点が同じになったいませんか? 私は、慣れるとすぐにそのことを忘れてしまいます。